かつては家族を殺すと罪が重かった!刑法から削除された尊属殺人罪とは?

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刑法から削除された刑法200条の尊属殺人罪とは?

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ニュースなどで、子が親を殺す事件を目にすることがあるかと思います。

最近でも、兵庫県宝塚市において、子が両親を殺害し逮捕されたニュースがありました。

かつて日本では、このような殺人においては、尊属殺人罪という通常の殺人罪とは異なる刑がありました。

この条項は、既に削除されているものですが、刑法を見ると「第200条 削除」としてあり、なぜ削除されたのかが気になるところです。

これに関しては、違憲判決が下された有名な判例もありますので、今回はこの尊属殺人について紹介したいと思います。

さて、削除される前の条項とはどんなものだったかまずは見ておきましょう。

当時、通常の殺人罪では三年以上または無期懲役、または死刑というのが刑法には規定されておりました。

しかし、それに加えて刑法200条には、尊属殺人罪として
自己又ハ配偶者ノ直系尊属ヲ殺シタル者ハ死刑又ハ無期懲役ニ処ス」という規定があったのです。

 

なお、この尊属殺人でいう直系尊属とは、父母・祖父母など直通する親族があたります。

また、養父母も含まれることになりますが、おじ・おばなどは含まれません。

つまり、今回のように子が両親を殺した場合は、無期懲役か死刑となっていたのです。

これが尊属殺人罪であり、現在では削除されている刑法です。

なぜ刑法第200条は削除されたのか?

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では、なぜ削除されたのか?

確かに、人を殺しているのですから、殺人罪とされることは何ら問題ありません。

しかし、そもそも直系尊属に関しての殺人を別の条項で規定した必要性とはなんだったのでしょうか?

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それは、昔の日本の家族のあり方とその人間観、

「子は親をうやまうべき」

「親は子をいつくしむべき」などというような道徳的な考えが反映されていたからです。

ですが、直系尊属となる親などを殺すというのは、並大抵の事ではない、それなりの事情があっての事でしょう。

 

皆さんが目にするような親子殺人事件などを見ても、
その背景には親の介護疲れであったり、親からの暴力、性的暴力など
同情すべき点がある事が多いのではないでしょうか。

 

こういった場合、「子は親をうやまうべき」だという道徳的価値観によるものだけで、普通の殺人よりも罪が重くなるというのは、少し違う気がしますよね。

また、刑法200条が削除された原因としては、別の理由もあります。

それは日本国憲法第14条の「法の下の平等」です。

すべて国民は法の下に平等であって〜差別されない

 

この憲法からすると、尊属殺人は「直系尊属」を特別なものとしており、平等ではないのでは?という声があがったのです。

しかし、すぐにはこの尊属殺人が違憲とはならず、日本以外でも尊属殺人が重い刑とされていた国が多くあったこと。

合憲派との論争が長引いたため、違憲判決が出るまでには20年以上も要することになったのです。

そして、ついに昭和48年4月4日、ある事件の判決において、最高裁判所が尊属殺人を違憲としたのです!

きっかけとなった事件

娘が実の父親を刺殺した事件です

その背景には常軌を逸した父親からの性的暴力と性支配がありました。

ここではその内容は詳しく書きませんが、A子は父親の子を産むまでに至っています。

あまりにも悲惨なA子の事情を考えると、刑法第200条によって死刑または無期懲役とされたのでは、公平ではないものです。

そしてこの事件を機に200条は運用されなくなり、結果、平成7年5月に200条は刑法から削除されました。

因みに、既に削除されたのにも関わらず、現在もその条文番号と削除された事実は残されています。

興味のある方は見てみてください。

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