お試し期間・試用期間は仮契約?ダメなら採用しないって解雇ってことなの?

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雇用関係においては、「お試し期間」を設けることはできるのでしょうか。

正社員の雇用関係は、まさに長期的な関係が予定されているものです。

会社としても社員としても、長いつきあいができそうかどうかを慎重に判断したいと考えるのは当然のことです。

2015-02-11 12.43.39

とりわけ会社は、いったん社員を雇ってしまうと、簡単には解雇できないので、慎重になるでしょう。

そこで、多くの会社では「試用期間」というものを設けています。

これは文字どおり、試しに労働者を使用してみる期間です(法律上は、「試(こころみ)の使用期間」という言葉が用いられています)。

では会社は、労働者を試してみて、ダメなら本採用をしないというようなことが許されるのでしょうか。

たとえば、本当の労働契約関係は、本採用後から始まるのであり、試用期間は仮契約のようなものだという考え方もあります。

そうすると試用期間の満了時点で、本採用をしないという判断は自由にできることになります。

試用期間が「お試し期間」だとすると、このように考えなければ「お試し」にならないでしょう。

裁判所の試用期間とは

しかし裁判所はこのようには考えませんでした。

「試用期間」の段階から正式な労働契約関係がすでに始まっているというのです。

そのため試用期間に入った後の本採用拒否は、正式に労働契約を締結するということを拒否するのではなく(契約締結の拒否であれば会社には広い裁量が保障されています)採用後の解雇にほかならないというのです。

解雇ですから正当な理由が必要となってきます。

ただ、裁判所も、試用期間の性格づけについては、悩みをみせています。

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まず、正社員は将来、管理職として会社を支える存在となるので、その適格性については会社が所定の調査をする必要があることを認めています。試用期間とは、このような適格性の判定についての最終的な決定をするための調査・観察期間なのです。

こうした観点から、通常の解雇よりゆるやかな基準で解雇が認められます。

しかし同時に裁判所は、試用期間付きとはいえ、いったん特定の会社と雇用関係に入った以上、その社員が他の会社への就職の機会と可能性を放棄したという事情にも配慮すべきとします。そして結論として

裁判の基準

会社が採用決定後における調査の結果や試用期間中の勤務状態などにより、当初知ることができなかったような事実が明らかになって、そのためにその者を引き続き雇用しておくことが適当でない
と認められるような場合に解雇(本採用の拒否)をすることができるとしました。

これは、かなり厳格な基準といえるでしょう。

このように、会社が、採用において本当の意味での「お試し期間」を設けることは、現在の≈の下では、かなり難しい状況です。

しかし、試すことができないとなると、会社としては困ってしまいます。

どのように対処するのでしょうか

たとえば、有名大学卒の学生とか、すでにきちんと職歴のある人とか、そういう本人の外形的な情報から採用する労働者を選抜しようとするでしょう。

ただ、現実には、目立った学歴や職歴のない人の中にも優秀な人材が埋もれているはずです。

もちろん、このようなメリットがある反面、デメリットもあります。

本当の意味での「お試し期間」となると、若者が会社に使い捨てにされるだけに終わるという懸念もあるからです。

解雇の規制が厳格なドイツやイタリアでも、最初の6ヶ月は解雇が自由です。

これは、採用後の最初の6ヶ月間は「お試し期間」であるということを意味しています。

日本でもそろそろ、「お試し期間」のメリットとデメリットをよく考慮しながら、その導入を検討してみる必要があるのではないでしょうか。

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