手元供養や供養の簡略化、現代的供養とトラブル

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手元供養や現代仏壇なんて許せない!新しい仏壇の形とは!?

供養1

新たな供養の形である「手元供養」が認知度を高めているように、「仏壇」も小型化、簡素化の流れがある(産経新聞6月1日(日)8時0分配信)。
このようなニュース記事を発見したのですが、最近ではお墓や仏壇についての相談も多くなってきています。

これは頻繁に居住地を変える方が多くなった事、核家族化や居住空間の洋式化などによるものですが、現代的供養について相談に来られた案件がありましたのでご紹介していきます。

「私は長男であり、家を建てる際には仏壇スペースも確保しておいた!それなのに…」
これはある相談者のお話しです。
父が亡くなり、お墓や仏壇は私が相続するものだと思っていました。
しかし、兄弟で意見が割れたのです。
次男が突然「お墓や仏壇は俺が取得する!」という事を言いだしたのです。

長男である相談者の思いとしては、「自分はお墓のある市内には住んでいないが、自分が長男だし、当然自分に権利がある」と考えていたそうです。

それに、次男の家には仏壇スペースがない事を思い出し、「お前の家には仏壇はおけないだろう!仏壇は俺の家に置く!」と伝えると、「昔ながらの仏壇じゃなくたって供養はできる。モダン的とか簡易的な仏壇だって売ってるよ!」と主張してきたのです。

しかし、相談者は「私が古い考えなのか、そんな簡易的な仏壇なんかできちんと供養できるのか?故人を軽視しているのではないか?」と思い、「いや、うちには仏壇スペースあるし、きちんとした仏壇をうちに置く」と伝えたそうです。

すると、「まぁ、兄貴がどうしても自分の家に仏壇を置きたいなら、遺骨を分骨して俺にくれ。ミニ骨壺がついているフォトスタンドに入れてリビングに置きたいからさ」と言いだしたのです。
更に、「でもお墓は俺の家が近いし、俺に任せてくれ」などと主張してきたのです。

話しの全容はこのような感じですが、相談内容としては、「①遺骨はお墓であって、分骨なんてしていいのでしょうか?簡易的な仏壇なんかで供養ができますか?ましてやフォトスタンドなんかに入れて、手元におくなんて問題ないのですか…、②お墓は長男が取得(守る)するものだと思っていたのですが、どうやって決まるのですか?というご相談でした。

まずは①についてですが、遺骨(焼骨・遺灰)を自宅等で保管することは認められており、 相談者の言う「遺骨はお墓へ…」という常識はあるものの、そのような法律や義務は一切ありません。
よって、故人や遺族の意志で自由に保管については決めることができます。

ご遺骨も分骨などしたら成仏できない、というように思われるかもしれませんが、 迷信であり特に問題はありません。

手元供養

最近では兄弟で別々のお墓に分骨して埋葬する方もいらっしゃいます。
これはお墓が遠方の為や兄弟姉妹がそれぞれのお墓に納骨したいなどの理由があります。

また、最近では仏壇のあり方も現代人の生活に合うようなものへと変化してきています。

ニュース記事にもあるように、新たな供養の形である「手元供養」も認知度を高め、仏壇も小型化、簡素化の流れがあるのです(産経新聞6月1日(日)8時0分配信)。

これは身近でも感じ取れる事でしょう。

例えば、友人が新築で一軒家を建てる場合を見ても、わざわざ、仏壇スペースを確保しているという人は少ないでしょう。

おばあちゃんの家でよく見たような仏壇というのは、洋風化された家作りにはマッチしないのです。

ふすまや障子、欄間や畳なども無い家作りが目立ちますね。

このような住空間やライフスタイルの価値観の変化は、仏壇や供養への考え方にも及んでいます。
それに伴い、仏壇や仏具、神具、線香などの売れ行きも下降気味です。
しかし、亡き人を愛する思いは変わらない。
そんな状況下で注目されているのが、「現代仏壇」や「手元供養」です。

つまり、今回の相談者で例えれば、写真だけで祀る事も何ら取りきめがあるものではなく、分骨してミニ骨壺付きのフォトスタンドに分骨した遺骨を入れて、リビングに置くことも違法ではありません。

しかし、現代仏壇や手元供養は伝統的な供養方法とは明らかに異なるため、違和感を持つ方もまだまだいらっしゃるのが現状でしょう。

ただし、私たちの生活や居住スタイルが変化したのにもかかわらず、仏壇だけは昔のままというのは逆に違和感があります。
私的な意見とすれば、仏壇も現代人の住空間にマッチし、他のインテリアと一体感をなすようなデザインへと変化したのは、必然の事かと思います。
それにマンション住まいの人も増えたので、昔ながらの仏壇を置くスペースが確保できない人は多いでしょう。

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また、手元供養というスタイルにも賛成です。
というのも、私が管理する予定のお墓は3つもあります。
神奈川県、千葉県、石川県とバラバラです。
残念ですが、頻繁にお墓参りする事は難しいような気がします。

色々な意見があるかと思いますが、故人としては現代的な供養スタイルであろうと、思いが溢れているのであれば、きっと受け入れてくれるものと考えます。

お墓の権利はどうやって決めるの?

供養2

相談者の相談②を解説していく前に、民法897条(祭祀に関する権利の承継)を見ておきましょう。
「1 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
2  前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。」

この法律を見ると、お墓の権利は被相続人から指定された者がいればその者が承継する。
いなければ、慣習に従い、慣習もなければ家庭裁判所による判断という順番で決まります。
被相続人による指定ですが、口頭,書面,明示,黙示の如何を問わず、故人から頼まれた人になります。
また、慣習とは、地域などによって異なりますが、少し前までは長男が継承するようなケースが多くありました。
しかし、世襲制度がなくなった今日、この法律からすれば、必ずしも長男が継承するという事ではなく、法律上は誰が継承しても構わないということになります。

なお、亡くなった人の財産については、法律で原則として法定相続分に基づき遺産を分配することが決まっていますが、お墓は相続財産とは別の「祭祀財産」となり、法定相続分によって分配するものではないのです。

では、今回のように被相続人からの指定もない、慣習もない、兄弟で協議できないなどの場合、お墓の権利はどうやって決めるのか?
民法897条2項を見ると、家庭裁判所が定めるとされています。

裁判所の判断基準についてですが、
東京家裁平成21年3月30日審判では,「被相続人との身分関係や生活関係,被相続人の意思,祭祀承継の意思及び能力,祭具等との場所的関係,祭具等の取得の目的や管理の経緯,その他一切の事情を総合して判断すべきである。」と判示されています。

つまり、裁判所は、総合的な判断によって決める事になります。

さて、今回は仏壇やお墓を話題にあげましたが、誰もがいずれは関係する事ですね。
個人的にも現代仏壇や手元供養については、興味深いニュースだったのですが、お墓も同様に墓地不足などから簡略化への傾向があります。

ロッカー型や棚型などのお墓(納骨堂)は、「屋内霊園」と呼ばれ都内を中心として増加しています。
10年くらい前に韓国ドラマが流行りだした頃に、始めてロッカー型のお墓をテレビで見て驚いたのを覚えていますが、費用が通常のお墓よりも安くすむ(場合によっては高いものもある)、利便性が良い、屋内のため掃除、草抜き等が不要、無宗派でも入れるなどの魅力から、利用者が多くなっています。

ご供養の仕方は人それぞれなので考え方が異なりますが、私はこうした時代に合った供養の変化は必要だと思うところです。
先ほどもお話ししましたが、私のように3つお墓を管理する事となった場合、費用だけでも3つのお寺に使用量を支払う事になりますね。
もちろん遠方という事もあり、管理は難しくなります。

少子化を考えればこれは私に限った話ではなく、仕方なく供養の形を変えている人もいるでしょう。
このような背景を考えれば、供養の仕方は何が正解で何が間違えているとは一概に言えませんね。
親が生前中に親の意見や兄弟姉妹の意見を聞いて、それぞれ満足できる供養の仕方を考えておくべきでしょう。

お墓のQ&A

最後に、お墓についてのちょっとしたQ&Aを参考までに紹介しておきます。

Q.お墓は庭でも作れる?

A.墓地にしか作れません。

お墓に関しては、「墓地、埋葬等に関する法律」という法律があります。
この法律でお墓は「墓地」にしか作ってはいけないと定めています。
つまり、自宅の庭や裏山などにお墓を作ることはできません。
これに反して墓石を建てて遺骨を埋めた場合、「1,000円以下の罰金又は拘留若しくは科料」という罰則も定められています(墓埋法21条)。
なお、焼骨などを自宅等で保管することは、本条に違反するものではないと考えられているようです。

Q.お墓を買うという事はその土地は自分のものになる?

一般的に「お墓を買う」と言いますが、お墓のある土地の所有権は取得できません。

「お墓を買う」と言うのは、「お墓の敷地の使用権を買う」という意味であり、土地の使用権を取得するに過ぎません。
よって、敷地の所有権は寺院や霊園となります。

Q.お墓を管理する人がいなくなったらどうなるの?

A.お墓は消滅します。

お墓の管理をする人がいなくなった場合、墓地の経営者は手続きをすれば、お墓の使用権を消滅させることができます。
お墓の遺骨はどうなるかといえば、共同墓地に移動されます。
お墓を管理する人がいないとは、長期間、管理費を支払わない場合なども含まれます。

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