刑事裁判終了!心神喪失の殺人犯は罰せられない!?

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殺人犯でありながら罪に問われない!あなたはどう思いますか?

1995年、愛知県豊田市で1歳男児と祖父が殺害された事件がありました。

逮捕・起訴されましたが、訴訟能力を欠いていたため刑事裁判(公判手続き)が約17年間停止されていた。

 

そして先日、この殺人事件を起こした被告男性について、裁判所は公訴棄却の判決を出したのです。

つまり、もうこの被告男性についての刑事裁判をしないという事です。

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その理由は?

名古屋地裁岡崎支部国井恒志裁判長によると「訴訟能力の回復は見込めない」と述べ公訴棄却の判決を言い渡したのです。
また、国井裁判長は判決で、「非可逆的な統合失調症で意思疎通能力が失われている。黙秘権の理解どころか人定質問すら成立しない」と判断し、「検察官が公訴を取り消さない場合、公判を打ち切ることは裁判所の責務だ」と指摘した。
この背景には、被告の精神状態が大きな問題となっています。

事件について詳しく説明すると、1995年5月、豊田市の神社で近くに住む塚田鍵治さん(当時66歳)と孫の翔輝ちゃんが被告男性によって包丁で刺殺されました。

同年9月に逮捕・起訴され刑事裁判(公判手続き)が開始されましたが、精神状態を理由に2年後の97年に裁判が停止されました。

その後、被告男性は入院して精神鑑定などを受け、精神回復のため治療を受けてきましたが、結果的に名古屋地裁岡崎支部は今回の公訴棄却の判決を言い渡したのです。
そこで今回問題となっているのが、裁判所による公訴棄却です。

というのも、通常とは違う点があるのです。

 

そもそも刑事裁判は被告人自身が自らが犯した犯罪を確認できる状態で行われます。

ということは、検察側は責任能力が疑わしい被告に対しては、精神鑑定などをおこない起訴するか不起訴にするか決めることになります。

もし、責任能力がないことが捜査段階や起訴前の精神鑑定ではっきりしていれば、世間的に叩かれようが検察官は不起訴という判断をします。

では今回の豊田市の事件の場合はどうでしょうか?

事実、検察によって起訴されたわけですから、被告人は証拠の確認や事実経過の証言などをしていると考えられます。

 

しかし、裁判所は「非可逆的な統合失調症で意思疎通能力が失われている。黙秘権の理解どころか人定質問すら成立しない」という判断したわけです。

 

 

殺人犯でも裁判官の独断で一般人になれる!?

 

そもそも「心神喪失」については疑問がいくつかあることでしょう!

・本当に裁判が継続できない状態なの?その検査や判断はどうなってるの?

・心神喪失で裁判出来ない場合の罪はどうなるのか?

 

まず誰が、どのような精神鑑定をし、結論を出すのか?

これは裁判所が精神科医に依頼をします。

 

しかし、心神喪失と判定するのは精神科医ではありません。

精神鑑定の結果に基づいて裁判官が判断するのです(起訴前であれば検察官による)。

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今回の場合、精神科医による精神鑑定の結果、裁判官が被告男性は心身喪失であり継続不可能だと判断したことになりますね。

つまり、よく考えてみると精神科医は精神鑑定をしただけにすぎず、裁判官次第で被告人の進退は決まるってことですね。

あくまでも「心神喪失」は医学用語ではなく法律用語なのです。

 

そして、心神喪失状態と判断された場合の罪はどうなるのか?

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これは、「そもそも罪に問うことができない!」という考え方です。

よって、無罪ということではなく、そもそも責任能力がないのに罪に問うこと自体が不当という考え方です。

これが日本の刑法の基本となっています。

 

更に、不起訴や今回のように公訴棄却された心神喪失者のその後の処遇ですが、

心神喪失者と言えでも罪に問われなかったわけですから、言い方は悪いですが一般人に返り咲きです。

 

措置入院にはなりますが、それは社会復帰を目的とする治療です。

よって、心神喪失でなくなれば退院という事になります。

 

え?殺人犯なのに退院して一般社会に復帰しちゃうってこと?

そうなんです!

殺人を犯していても通常の精神状態となれば、治療という名目でいつまでも入院をさせておくわけにはいきません。

無理やり入院させておくことは、人権侵害になってしまいます。

 

それに裁判が終わってしまえば司法は一切関与しません。

え?じゃあ殺人犯なのに罪にも問われず、野放し状態?

そういう事になりますね。

 

現在の日本ではこのような人達をフォローする制度も法律もありません。

このような形ではより一層被害者や遺族は納得できない事でしょうね。

 

さて、今回の事件も被告男性の心神喪失が問題となりますから、このような制度的な問題も含まれています。

 

ただし、被告男性が本当に心神喪失だった事を前提とすれば、刑法の基本的概念に照らして、裁判所が「裁判を終わりにする」という判断をしたことは妥当なものだと言わざるを得ません。

 

しかし、今回の事件の場合では、「心神喪失」という判断が言ってみれば裁判官次第であり、裁判官次第、裁判官の独断で結論が変わる!という点に少し疑問が残ります。

 

というのも、検察側によって控訴(裁判)が取り消されたわけではないからです。

通常、検察官はいつでも公訴を取り消す(裁判を取り下げる)ことができます。

これは今回の事件に限らず、通常の事件などでも同様です。

 

例をあげると、交通事故や傷害事件などの示談です。

裁判は開始されたものの示談成立で公訴取り消し…なんて事をよく耳にするかと思います。

 

では、今回のように裁判官の判断によって公訴棄却されるという例はあるのか?

とても稀なことです。

この点が今回の事件での特徴であり、問題点です。

 

つまり、今回の事件では裁判官による公訴棄却判決は刑法の概念に照らすと妥当だとも言えますが、何と言っても「被害者遺族の感情無視」という点から言えば問題だと思います。

 

裁判官の判断による公訴棄却…。被害者遺族はいったいどう思ったでしょうか?

父と息子を亡くした塚田克明さん(51)は判決後、「司法の判断には怒りしか感じない。審理を継続してほしかった」と話しています。

 

名古屋地検も「このような措置が許されるのか検討の上、上級庁とも協議して適切に対処する」とのコメントを出しています。

 

「そりゃそうだろう~」って感じてしまったのは私だけでしょうか?

裁判官にはきちんと被害者遺族の感情をくんでほしかったと感じませんか?

 

通常のように、検察官による公訴取り消しという方法をとるべきではなかったのか?

まぁ検察側としてみれば裁判官に相談されたところで、被害者遺族の感情もあるので簡単には承諾できない事情もありますが…。

 

裁判官としてもそれなりの方法を取ろうとしたのかもしれませんが、結果的に裁判官と検察でうまくすり合わせできなかった!

そこで裁判官の判断で裁判を終わらせる、という結末になったのかと思います。

 

けれど、どんな事情があったにしても、やはり疑問が残ってしまいますね。

実際に被害者遺族は全く納得していませんし!

あまりにも被害者や遺族を無視しすぎ!と言いたいところです。

 

もっとあらゆる方法を模索して、せめて被害者遺族が嫌々でも納得してもらえるような形、検察官による取り下げという形で終わらせるべきじゃなかったのかと思います。

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One Response to “刑事裁判終了!心神喪失の殺人犯は罰せられない!?”

  1. e より:

    17年間も裁判を受けられる病的な精神状況(非可逆的な統合失調症で意思疎通能力が失われている。黙秘権の理解どころか人定質問すら成立しない)から回復しなかったものがそうホイホイ退院できるとは思えませんが。
    17年も拘禁しているのであればもうそれは刑を受けているのと同じ様に自由を奪われてますし。
    少なくともいち早く治療の道へ回すべきでは。

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