「買うつもりはなかったのに!!」家飲みしながらショッピングサイトを見てたら…翌日、商品が届いちゃった?!

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ゆきこさんは、ネットショッピングが大好きなOLです。

ゆきこさんの最近のお気に入りは、深夜に一人、家飲みをしながらネットショップを見て回ることでした。

毎週末、翌日が休みの日には、パソコンに向かいお酒とおつまみを用意して『どの服を買おう』『どういうインテリアが部屋にあうかな』等を想像するのが、ゆきこさんの楽しみになっていたのです。

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そんなゆきこさんに、ある日、びっくりする事件が起こりました。

インターフォンから『宅配でーす。』という声がして、家のドアをあけたゆきこさんの目に飛び込んできたのは!!

なんと、ゆきこさんの家の玄関をほぼ埋め尽くさんばかりに大きな段ボールだったのです。

「な、何ですか?!これ!!」

「え、お届けものですよ??住所、こちらであってますよね??」

宅配業者さんが見せてくれた伝票には、確かにゆきこさんの住所と名前がありました。

そして、商品欄には「ルームランナー」と書いてあったのです。

しかし、ゆきこさんに、ルームランナーを買った記憶などはありません

「た、確かに私の住所と名前ですけど…こんなもの、買った覚えありません!」

「えっ??私にそう言われても…もしお店側の間違いだったら、返送手続きってことになると思いますが…一度、この発送元のお店に問い合わせて頂いていいですか??」

馴染みの宅配業者さんにそう言われ、ゆきこさんはひとまず、荷物を引き取ることにしました。

宅配業者さんの言うとおり、すぐ発送元に連絡してルームランナーを送り返そうと思っていたのです。

「こんなの買った記憶全くないんだけど!!…今流行りの、商品送り付け詐欺とかじゃないの?!」

ゆきこさんは、段々とイライラしてきました。

とりあえず、覚えがない以上、問い合わせをしてみるしかありません。

ゆきこさんは、意を決して、伝票に記載されているお問い合わせ先に連絡したのです。

「はい、○×商事ですが…」

「あ!もしもし?!本日、そちらからルームランナーが送られてきたんですけど…!!私、購入した覚えがないのですが…何か間違えていらっしゃいませんか?!」

電話にでた担当者は、ゆきこさんの剣幕にあわてて、すぐに調べて折り返し連絡をするとこたえました。

そうして、連絡待ちのゆきこさんは、時間に潰しにパソコンでメールチェックをしはじめました。そこで…衝撃のメールを見つけてしまったのです。

『件名:【ルームランナー:ご注文受付メール】お買い上げありがとうございます。』

それは、ルームランナーの注文完了メールだったのです!!

酔っぱらっていて、買うつもりなんてなかったのに…お金を払わなきゃいけないの?!

未読だった注文完了メールを、たった今見つけ、あわてて読んだゆきこさん。

そこにはしっかりと『ルームランナーのご購入ありがとうございます。×日に発送致します。』と、記載されていたのです。

「あれ??いつこれ買ったんだろ…えぇと、購入日付は、10/10(土)…あ!?」

ゆきこさんには、何となく思い当たることがありました。

そう、この日は翌日が休みだったので、また例によって『家飲み一人ネットショッピング』を開催していたのです。

「この日は…そうだ。美味しいスパークリングのお酒が手にはいって…それで…」

ゆきこさんはこの日、スパークリングのお酒の瓶を開けてしまったので、この日のうちに飲みきらないと駄目になっちゃう!!と、いつもよりかなり多めのアルコールを摂取してしまったのです。

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「そうだ…この日はいっぱい飲んじゃって…翌日はお昼過ぎまで寝てて…」

どうやら、ゆきこさんは深酒してしまい、酩酊状態だったようです。おそらく、この時に酔ったまま購入手続きをしてしまったのでしょう。

「酔ってて全然記憶にないけど…でもきっと、私が買っちゃったんだよね…ど、どうしよう。買うつもりなかったのに…これ、お金払わないといけないのかな??」

酔っぱらって覚えていないネットショッピング法律的に有効??

では、『酔っぱらって覚えていないネットショッピング』は、果たして法的に有効なのでしょうか??詳しく見ていきましょう。

今回ポイントとなるのは、ゆきこさんにはそもそも『商品を買うつもりは無かった』という点です。

その状態で『購入処理』をしてしまったゆきこさんは、民法上『錯誤』があったもの、と考えられます。

錯誤 (1) 民法上,内心的意志 (意真) と表示とが一致せず,そのことを表意者みずからが自覚していない場合の意思表示をいう。法律行為の要素に錯誤があるときは無効である (95条) 。

この『錯誤』の状態での『購入処理(売買契約)』は、民法上無効とされる、という規定があります。

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しかしながら、『錯誤のある売買契約は全て無効』としてしまうと、今度はお店側が困ってしまいますよね。

何かある度に、お客さんから『錯誤があったから、やっぱり購入は取り消し!!』と言われてしまっては、お店側だって、商売が成り立ちません。

こうしたお店側の事情も考慮して、民法95条には、ある但書があります。

ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

重過失とは、わずかな注意さえすれば、たやすく違法有害な結果を予見することができるのに、漫然とこれを見逃したり、著しく注意が欠けている状態を意味する。過失の注意義務違反の程度が大きい状態

要するに、お客さんの側に問題があったと判断される場合、購入取り消しはできない、という意味です

この考え方でいくと、ゆきこさんは自分の意思で飲酒をし、判断能力がにぶることが予見される状態でネットショッピングを行った、という『重過失があるもの』と判断されます。

そのため、民法の考え方に則って考えると、ゆきこさんの商品購入の取り消しは難しいということになるのです

では、ゆきこさんは本当に、買うつもりのなかったルームランナーの代金を払わないといけないのでしょうか?

詳しく法律について見ていきましょう

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これまで、こうした『売買契約』の取り消し等に関する法律は『民法』とされていました

しかし、インターネットが普及してきた近年では、『売買契約』をお互い顔をあわせないインターネット上で行うケースが急激に増えてきたのです。

そのため、こうした時代の流れにあわせて『電子消費者契約法』という法律が誕生しました。

電子消費者契約法とは、電子商取引などにおける消費者の操作ミスの救済、契約の成立時期の転換などを定めたもので、平成13年12月25日に施行されました。
 これは、パソコンやインターネットの普及につれ、パソコン操作を誤ったりすることによる消費者トラブルが増えていることを背景にした法律です。
 「無料」画面だと思ってクリックしたら「有料」で代金を請求されてしまったというケースや、1つ注文したつもりが2つ注文したことになっていて、同じものが2つ送られてきたというトラブルが発生した場合、商店がそれらを防止するための適切な措置をとっていないと消費者からの申込みじたいが無効となります。

電子消費者契約法によれば、そのような重過失があっても、原則無効を主張できるということになりました。
重過失の場合、民法の規定によれば無効は主張できないが、電子消費者契約法ではそのような重過失があっても無効を主張できます。
しかし、その電子消費者契約法にもまた例外があり、申し込みの意思を確認するような措置があった場合には、無効は主張できません。

これは、ネットショッピングにありがちなトラブルに関して規定した法律です。

この法律の最大のポイントとなるのは『重過失があっても、原則無効を主張できる』というところです

先ほどご説明した民法の考え方でいくと『重過失の場合、原則無効を主張できない』のですが、こちらは違います。

消費者側にある程度の非があっても消費者を守ろう、という『消費者保護』の意味合いの強い法律となっているのです。

ゆきこさんのケースの場合、この電子消費者契約法に則って考えると、商品購入取り消しをできる可能性があるのです。

覚えておこう!!インターネットの上での取引には、『民法』ではなく、『電子消費者契約法』が適応される

結局、ゆきこさんは商品発送元の会社と色々なやりとりの末、『商品を返品したら料金は支払わなくて良い』ということで話がまとまりました。

会社側は最初、購入取り消しすることにあまりよい顔はしませんでしたが、色々話し合いをしていくなかで会社側の不備が見つかったため、今回はゆきこさんの主張を受け入れる、とのことでした。

電子商取引などにおける消費者の操作ミスの救済

B2C(事業者・消費者間)の電子契約では、消費者が申込みを行う前にその申込み内容などを確認する措置などを事業者が講じないと、消費者の操作ミスによる申込みは無効になります。
 
(事業者が取るべき措置)
 事業者は、申込みボタンを押した後に、消費者が入力した申込み内容を一度確認させるための画面などを用意する必要があります。
また申込みボタンを押す=購入(有料)であるということを、ボタンを押す前にわかるように明示しなくてはいけません。

どうやら、ゆきこさんが商品購入をしたWEBサイト上で『商品購入の確認画面』が表示されていなかった、というところが問題だったそうです。

会社としても、本来は『商品購入の確認画面』をきちんと表示すべきだったのに、それができていなかったということで、ゆきこさんへの謝罪がありました。

ゆきこさんは、あのルームランナーを無事返品することができたのです!!

こうして、今回は商品取り消しができたわけですが、例え『電子消費者契約法』と言えども、必ずしも消費者の思い通りになるわけではありません。

店頭での買い物でも、インターネットを使ったネットショッピングであっても、買うものの数や値段などをきちんと確認して、納得して買うようにしましょう!

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