インターネット通信トラブルで株取引ができなかった!通信会社に損害賠償請求できる?

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ふさこさんは、50歳の専業主婦です。

最近は下の息子も大学にはいり、授業にバイトにと家を空けることが多く、あまり手がかからなくなってきました。

結婚以来、ずっと専業主婦で家庭を守ってきたふさこさんにとって、子ども達の成長は嬉しい反面、ちょっとした寂しさも感じます。

「私も自由になる時間が増えてきたし…家でお小遣い稼ぎくらいはやりたいわね。

ふと、そう思いついたふさこさんは、よくテレビ等で耳にする『株取引』をはじめてみようと考えました。

主婦が自宅で気軽にでき、うまくいけば大儲けできるものだと聞いていたので、時間がたっぷりある自分ならじっくり勉強しながらできるし、ぴったりだと思ったのです。

勿論、何の予備知識もないふさこさんがいきなり大金を使うのは危険と認識していたので、家計のお金ではなく、自分のお小遣い用にと、こつこつ貯めてきたお金を使うことにしました。

こうして、色々な本やネット上のサイトを見ながら勉強をしたふさこさんは、最終的にデイトレードをはじめることにしたのです。

※デイトレード 個人投資家による株式・債券などの日計り取引(ウィキペディアより)

「デイトレードなら、その日のうちに損益もわかるから初心者の私には丁度いいわー。」

ふさこさんは、久しぶりに「自分のために頑張る」ものを見つけて、いきいきしていました。

「どうして画面がつながらないの!?」今売らないと大損しちゃうのに…インターネットが繋がらない?!

それから3ヶ月、ふさこさんの勝率はぼちぼちといったところでした。

元々自分のお小遣い用に貯めていたお金が元金になっているわけですから、ビックリするような高額の株取引はしていません。

とはいえ、デイトレードをはじめて早3ヶ月。

少しずつ取引になれてきたふさこさんは、少し物足りなく感じていました。

この3ヶ月間、ふさこさんは少額を慎重に運用してデイトレードにつかっていたのですが、元手が少額だと、当然失敗した時のリスクが少ない分、儲かった時の利益も少ないままです。

それに焦れたふさこさんは『どうせ私のへそくりなんだから、思いきって使っちゃおう!!それに、うまくいったらもっと増えるんだから!!』と、

テンションがあがってしまい、ある日、とうとう50万円分の株を買ってしまったのです。

そして…事件は起こりました!!!

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これまでこんな高額の株を扱ったことのなかったふさこさんは、パソコンのモニターを見ながらドキドキしていました。

自分が買った、A社の株価がどのように変化していくのか、じっと見つめていたのです。

株価のグラフが上向きになれば喜びをおさえきれず、しかしその後すぐに下向きの線を描けば、ふさこさんの心臓はバクバクと激しく鼓動し、呼吸まで乱れそうな様子でした。

『お願い…!!株価あがって!!!』

ふさこさんは、祈るような気持ちでモニターを見続けました。

しかし、残念ながらある時間から、株価は下落するばかりとなってしまったのです。

「えっ、なんで?!さっきからどんどん下がってる!!」

先ほどまで、株価は上がったり下がったりと変動していたのに、今や下落する一方です。

「ど、どうしよう…?!これ、もう手放しちゃったほうがいいのかしら??」

もし、これ以上A社の株が下がり続ける一方ならば、例え収支がマイナスになってしまったとしても、被害を最小限におさえるため、ふさこさんは一刻も早くA社株を手放す必要があります。

「で、でも…またここから株価回復するかもしれないし…どうしよう!?」

ふさこさんはもうパニックです。それもそのはず、この判断を誤れば、50万円分がパーになってしまうかもしれないのです。

でも、もし株を売ってしまった後で、また株価が回復してきたら…このような、同じような考えばかりがグルグルと巡ります。

しかし、その間も無情にもA社の株価は下落していったのです。

そして、とうとうふさえさんは決意します。

「も、もう損切りするしかないわ!!!」

※損切り 買った株が下がった場合,損失の拡大を防ぐために株を売り損失額を確定すること
管理人の投資ルールより

ふさえさんはようやく決断し、A社株を手放すことにしました。

そして、株の売り処理をするため、パソコンを操作しようとしたところ…突然、取引画面が表示されなくなってしまったのです!!

「えっ!?な、何これ!!!」

ふさこさんはビックリして、もう一度取引画面を開こうとします。

ですが、モニターには『このページは表示できません。』という文字だけがうつしだされています。

株が下がりそうなのにのネットが繋がらない

「ど、どうして??いつもこのボタンを押したら株取引ができるのに?!」

何故か、突然パソコンがインターネットにつながらなくなってしまったのです。

ふさこんさんは、何度もいつも通りの操作をくり返すのですが、それでもやはり、株取引の画面は表示されません。

「はやくしないと、株価がどんどん下がっちゃうのに!」

パソコンがインターネットにつながらなくなってしまったので、もう現在、A社の株がいくらになっているのかすらわかりません。

パニックになったふさこさんは、とにかく一度パソコンの電源を落として、再起動させてから取引画面を表示させようとしたり、思いつくことは何でもやってみました。

しかし、残念ながらどれも効果はなく、インターネットに接続ができないまま40分が経ちました。

そして、何度目かのパソコン再起動の後、ようやく株の取引画面を表示することができたのです。

その時にはもう時すでに遅く、A社の株は、ふさこさん買った時の価格よりも大幅に下がってしまっていたのです。

A社の株価は、最後にふさこさんが画面から確認した時よりも、ずっと値下がりしていました。

どうやら、インターネットに繋がらなくなった間も、株価は徐々に下がり続けていたようです。

大幅に下がってしまった株価を見たふさこさんは、取引画面が表示されるや否や、すぐにA社の株を全て売りにだしました。

これにより、これ以上の被害拡大は防げたものの、収支を見れば大損失です。

50万円あった元手は、株価の下落により最終的に20万円ほどになってしまいました。

せっかくこれまでこつこつとためてきた貯金が、ほんのわずかな時間で30万円も消えてしまったのです。

ふさこさんは、呆然としてしまいました。

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「インターネットに繋がっていれば、ここまで損をすることはなかったのに!!」通信会社に損害賠償請求してやる!!

あれから、ふさこさんはすっかり気落ちしてしまい、何をやるにも気力が湧いてきません。

ですが、ある日ふさこさんは、ネットニュースで自分が契約している通信会社の通信トラブルについての記事を読み、ふと思ったのです。

『そうだ!そもそも、インターネットが使えなくならなかったら、あそこまでマイナスにならなかったはずなのに!!

私は毎月、インターネットの代金をきちんと払っているのに、通信会社のミスでインターネットができなくなるなんて契約違反よ!!

マイナスになった分は、通信会社に賠償請求できるはずだわ!!』

確かに、ふさこさんはインターネットの通信会社と『インターネットができる環境』を使用する契約をしています。

それなのに、通信会社のトラブルのせいで、その通信ができなくなってしまったわけです。これだけ見ると、通信会社が悪いように思えますね。

では、果たしてふさこさんの言うように、通信会社に株取引の損失分を損害賠償請求することができるのでしょうか?

まず、ふさこさんは、あの日インターネットが使えなくなった原因が、自分の契約している通信会社のトラブルのせいである、ということを確認しました。

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ネットニュースの記事には、確かに、あの日ふさこさんが株取り引きができなくなった時間帯に、通信障害が起こった旨が記載されていました。

これが、自分が株取り引きをできなかった立派な証拠になると思ったふさこさんは、自信たっぷりに通信会社のコールセンターに電話をしたのです。

「約款って何よ?!そんな話私は聞いてないわよ!!」通信約款に基づくと、2〜3時間の通信障害は賠償の対象にならない?!

ふさこさんは、通信会社に対して、強気でこう主張しました。

「おたくの通信障害のせいで、私は株取引で30万円の損失をだしたのよ!おたくに損害賠償請求しますからね!」

ところが、通信会社から返ってきたのは、ふさこさんの予想外の回答でした。

『今回のケースのような、40分程度の一時的な通信障害等のトラブルについては、契約時の約款に規定されている通り、損害賠償の対象とはなりません。』と言うのです。

「約款って何よ?!私はそんな話聞いて無いわよ!!」

ふさこさんは、電話口でそう喰らいついたのですが、通信会社の主張は一切変わらず、ふさこさんの話は全くとりあってもらえませんでした。

今回のトラブルについて詳しく説明

まず、通信会社の言っていた『約款』とは一体何なのでしょう

約款 保険や運送など不特定多数の利用者との契約を処理するため、あらかじめ定型的に定められた契約条項。保険約款・運送約款など。
やっかん【約款】の意味 – 国語辞書 – goo辞書より

該当の通信会社(以後、B社とします)との間で契約を結び、『インターネットができる環境』を使用する権利を得ることになるわけですが、

この場合、ふさこさんはB社と『契約』をした時点で、B社の提示する『約款』に同意しているものとみなされるのです。

約款の存在自体をしらなかったふさこさんは、当然自宅にインターネット環境を整える際、B社の通信約款をきちんと読まないまま契約を結んでしまったのです。

しかし、今回B社からの回答を受けて、改めてB社から届いた契約書類一式を引っ張りだし、内容を確認しました。

すると確かに、B社の書類の中には、『約款』と記載されたものが存在し、上記のような文言が記載されていたのです。

『接続障害が発生した場合、通信不可の時間が24時間以上でなければ、B社は責任を負わない。』

「な、何よこれ?!こんなのB社が一方的に言ってるだけじゃないの!!こんな紙に書くだけで許されるって言うわけ?!」

B社が契約前にきちんと約款の書類を提示している以上、契約前に約款をきちんと読まなかったふさこさんに過失(不注意、過ち)があるわけですが、ふさこさんはどうしても納得がいきません。

「大体、お金をもらってサービスを提供してるくせにこんなの酷いわ!!40分間だろうと24時間だろうと、サービスが使えなくて迷惑してるのはお客である私なのに!!」

確かに、ふさこさんの言うことも一理ありますよね。

しっかりとサービス料を支払っているお客側としては、『サービスの提供を受けられなかったのに、賠償もしてもらえない』というのは理不尽に感じても仕方ありません。

さて、ではこのように『通信不可の時間が24時間以上でなければ、賠償責任は負わない』等と、予め、企業自らが責任の範囲を決めてしまうことに問題は無いのでしょうか?

これにつき、現在の解釈としては下記のようになっています。

インターネットサービスのような電気通信サービスでは、現在の通信環境やIT技術の水準を考えた場合、フルタイムでの完全なサービス提供の保証を期待することは困難です。また、一旦サービスの中断が発生すると、その原因の特定が困難であり、その復旧に一定時間を要する場合があるといった技術的事情もあります。
上記の技術的事情から、常時インターネット接続を保証することは技術的に不可能であり、一定時間のインターネット接続障害は避けられない場合があります。

違法にならないネットライフ より

要するに、現代の技術では『24時間、いつ、いかなる時も完璧にインターネット接続サービスを保障する』というのは難しいため、B社のように『責任の範囲を限定することも致し方ない』という判断がなされているのです。

これにより、今回のふさこさんのトラブルに関しても、『B社は、ふさこさんの株取引の損害に対して、損害賠償責任を負わない』と判断されます。

株取引をする人は、複数回線を確保するのが当たり前?!自分でリスク管理をしっかりしよう!!

その後、ふさこさんはB社に対してあの手この手で損害賠償の話を持ちかけてみましたが、やはりとりあってもらえませんでした。

ふさこさんは、今回の一件で株取引がすっかり怖くなってしまい、それ以来、二度と株取引をやらなくなってしまいました。

今回のケースのように、『大事な取引の真っ最中に通信障害!!』という事態に陥るのも、決してあり得ない話ではありません。

株取引を日常的に行うデイトレーダーの方などは、こうしたら通信トラブルに備え、ネット回線を複数所持していることも多いのです。

例えば、ネット回線のほかに、高速データ通信が可能なモバイル通信を使用する等、複数の手段をもつことで、1つの回線がダメになった場合でも、別の回線を使用して即座に株取引ができるよう、事前に準備をしているのです。

こうしたリスク管理をしっかりと行うことで、突然のトラブルにも慌てることなく対応できるわけですね。

皆さんも、様々なトラブルを想定して、事前準備を怠ることのないようにしましょう。

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