ライバル会社からヘッドハンティング転職できるのか?

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井手さんはIT関連会社のひまわり社で15年間勤務しています。

真面目で研究熱心なため、社内の信頼は厚く、業務スキルも高く、誰もが認めるデキる社員です。

ある日大学時代の友人を通して、ライバル会社のサクラ社の専務から内々に会いたいと連絡がありました。

「話だけでも・・」と軽い気持ちででかけた井手さんでしたが、専務と会い、「君のうわさは耳にしている。ぜひ、うちの会社で働いてもらいたい。

責任あるポジションも必ず用意するし、年俸も今の2倍出すから。」ということばに心が動いてしまいました。

井手さんをここまで育ててくれたのはひまわり社です。

それは井手さんもよくわかっています。

お世話になった会社を裏切るようで後ろめたさを感じたのですが、提示された条件の魅力に勝てず、サクラ社への転職を決心しました。

転職を決意

上司に退職の意志を伝えたところ、

「まさかとは思うけれど、同業者に転職するのではないよね?採用の時に『競合他社には転職しませんという念書を書いていることは忘れていないよね。もし、そうであれば君の転職は当然認められないし、どうしても行くというのであれば法的措置を取らせてもらうよ。」

と釘を刺されてしまいました。

「転職はしたいけれど、裁判沙汰にはなりたくない。」

井手さんは悩んでいます。

転職は可能でしょうか。

職業選択の自由は憲法で保障されている基本的人権です。

この基本的人権は民法や労働基準法などを通して保障されています。

民法に「退職の意志表示をして2週間が過ぎれば雇用契約が終了する」と規定があるのですが、この規定から考えると井手さんが退職するということに何ら問題はありません。

転職を考えている人が今までの仕事で培ってきたスキルや知識をすぐに活かすことができる同業への転職を考えるのは当然なことで、井手さんもそう考えたはずです。

もちろん引き抜く会社側は即戦力として井手さんに期待しているわけです。

今回のケースの井手さんはどうなるのでしょう?

先に述べたとおり、退職は問題なくできますよね。

それではサクラ社に無事転職はできるのでしょうか?

井手さんは採用時に『競合他社には転職しません』という念書をひまわり社に提出しています。

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ひまわり社にしてみれば、今まで15年間手塩にかけて育てた井手さんを突然サクラ社に取られるわけですから、たまらないと思うでしょう。

一般的なことを述べると、適切また必要最低限の範囲でひまわり社が井手さんのサクラ社への転職を規制することは認められているようです。

例えば、転職できない期間(年数)や地域を限定するとか、井手さんへの補償を行うことで規制をすることが可能なのです。

退職する井手さんに補償に相当する額の退職金を支払って、「退職後3年間はひまわり社の営業範囲内で○○の分野で営業を行っているサクラ社さんに転職することはできません。」という規制をすることはできるわけです。

この規制を無視して井手さんがライバル会社サクラ社に転職した場合はどうなるのでしょうか?

当然裁判沙汰になり、支払われた退職金の一部を返還することになるでしょうね。

転職は可能でしょうが、後々裁判沙汰にならないように慎重にした方がよさそうですね。

ヘッドハンターは優秀な人材を狙っています。

今回井手さんは直接サクラ社の専務から「うちに来ないか?」と誘いを受けていますが、企業から雇われたヘッドハンターが経験や技術、年齢、年収など企業の希望に合った人材を確保すべく動いている場合もあります。

技術の漏洩は会社の死活問題になりますし、優秀な人材が他に流れてしまうと社の大きな損失にもなりかねません。

井手さんの持つ経験と技術に目を付けたサクラ社は、その能力で自社の技術を高め、強固なものにしようと考えたのでしょう。

こういうことを見ていると、ヘッドハンティングとは義理とか人情とか言っていられない企業間の厳しい引き抜き合戦なのかなと思うのです。

ヘッドハンティングで引き抜かれた方の会社が危惧するのが、先にも述べたように企業秘密が漏れてしまうのではないかということです。

ひまわり社が長年かけて開拓してきた顧客情報や技術、営業のノウハウなどがサクラ社に知れてしまったらたいへんな損害を被ることになるかもしれません。

以前の職場で知った情報や技術を転職先で使ってしまうと、訴えられることもありますので、注意が必要です。もちろん知り得た企業秘密を使うつもりで転職するなどもっての外です。

自分の良心に恥じないように「これをやったら訴えられるかもしれない。」ということはやらないことですね。

転職は自分の経験や能力などの強みを活かして、更なるキャリアアップを目指して行うものですが、その使い方を間違えてしまうと裁判沙汰になり、せっかくのキャリアに傷がついてしまう可能性があることも覚えておきましょう。

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